「海外からの引き合いは何度かあるけど、話が具体的にならない…。」
「輸出商社に委託しても、年間の取り扱い数が少なく儲からない…。」
「なんとかビジネスチャンスを掴みたいが、貿易実務が分からない…。」
過去十年間近く、ほぼ右肩上がりの日本酒の海外への出荷数ですが、実際にうまくいっているのは、ほんの一握りの酒造メーカーのみ。 そして、資金力がある蔵元は外国語を話せるグローバルな人材を雇い入れたりと、海外戦略へ更に積極的な姿勢を見せています。
大手食品関連商社とのお付き合いがあっても、実際に出荷するのは数ヶ月に一度、2,3ケースぐらい・・。勿論、数多くのラインナップを扱っている商社とお付き合いしていれば、なかなか数の大きいケースを出荷するのは望めませんね。 |
市場でのポジションは限られている
既にうまくいっている先発組の酒造メーカーと、後発の酒造メーカーの”海外市場の差”は広がるばかりです。
御社の酒はどのポジションに位置していますか?
事実、海外市場を開拓したいと思っていても、なかなか思うようにいかず困っている酒造メーカーの数が多いのが現実です。お知り合いの蔵元さんも同じような事を口にしていると思います。
数字で見てみると、2008年の清酒の国内消費量は63万1,000キロリット ル。最盛期の1975年(167万5,000キロリットル)と比較すると実に37.7%の水準まで落ち込んでいる現実があります。この様な市場の縮小というのは、よく目にする数字だと思います。国内消費量に対する輸出量の割合は、依然として2%前後ですので、騒がれている割には数字はまだ控えめです。具体的な金額にしますと、2011年の輸出額は87億7601万円。ほぼ毎年のように過去最高記録を更新した等のニュースが発表されるので、頭打ちかな?とも考えられるかもしれませんが、弊社が取引をしている海外のインポーターは ”This is just a beginning of the beginning” と更なる成長を期待しています。輸入業者が成長性を感じ、積極的に動いている今、日本酒にとって更に成長出来る時期だと私達は考えております。
インポーターは蔵と直接取引きをするより、複数の蔵元の銘柄を扱いたい場合が殆ど
簡単な話ですが、もしも自分の会社が海外からワインを輸入するなら、
- 1社の商品だけを輸入したいを思いますか?
- 複数社の商品を集めて仕入れたいですか?
当たり前の事ですが、後者の方が圧倒的にニーズがありますよね。例えば、A社の酒は500ケース、B社の酒は400ケース、C社の酒は600ケース、etc…という事です。
日本酒のバイヤーも同じケースが殆どです。インポーターが1社の商品だけを買うよりは、複数社の酒を買いたがります。
つまり、商談会でインポーターと蔵元がやりとりをしても、実務レベルで話になった時にバラバラの蔵元から商品を輸出するのは難しくなります。例えば、A社がB社の400ケース、C社の600ケース、金額にして1000万円近くのリスクを背負ってコンテナや港の手配をする事はあまり考えられませんよね。 |
ですから、「輸出社」という取りまとめ役が求められる訳です。
【同行営業】に関して
輸出相手から求められる大事な要求が、『現地営業担当者とのプロモーション活動』です。
ただ、商品を輸出するだけではなく、フォローアップが求められます。むしろ、そういった対応をしない場合は、御社の商品が一体どの様に扱われ、どの様な現場で売られているのか?がわかりませんよね。そういった意味でも、言語が苦手…や、異文化での営業回りに自信がない…という場合は、連携するパートナーと動く事が効率的です。
上記の写真のプロモーションの内容をご紹介:
- 約300名もの酒類業界関係者が集まるイベントで弊社と蔵元のみが参加(日本酒競合他社数は0社、つまり完全独占)
- アメリカ各州で商品流通を短期間で開始、さらに今現在も新規取り扱い州が商品登録中
- 小売店回りで新規に日本酒を扱って頂く契約をGET
- 飲食店向け営業で、新規に弊社のラインナップ取り扱い即日開始、既に販売開始
この例は、2013年2-3月に行ったプロモーション活動についてです。約1週間の滞在でインポーターの会社の営業担当者と様々な場所を訪れ、数多くの新規契約を決めてきました。
こちらの写真は、全米に展開している某大手スーパーでの様子です。弊社が輸出している酒の取り扱いが開始され、実際に商品棚に陳列もされています。その店で急遽試飲販売会を行い、数多くのお客様に日本酒を楽しんで頂きました。「売るのが難しい」と言われている日本酒ですが、とても好評でよく売れました。
ちなみに、陳列棚の両サイドには、弊社の商品より半額ほどのMade in USAのSAKE等もありますが、2倍近く高い弊社が扱う日本酒が売れない訳ではありません。
“Customers DO care about what they are spending money for these days…”
価格も大事ですが、品質も求められているのは確かです。
Slowly but Surely… まだ市場は伸びる期待がある。輸出エージェントと共に展開しませんか?
この数量を初回コンテナとして輸出するまでにかかった日数が長い・短いの判断は人それぞれの解釈によりますが、そんな事よりも大事なのは「具体的に動いている」という事。
なぜ動くのか?というと、それは「戦略を決めて攻めている」から。
私達は自分達が狙うポジショニングを明確にしています。それ以外のポジションを狙う予定は今の所ありません。的を絞り込み、考え・行動・お金の投資をしてマーケット開拓を進めています。
私達は独自のマーケティングで海外のインポーターから「弊社に売ってください!」と手を上げさせる手法で取引相手先を開拓しています。相手として選ぶのは、現地の日系企業ではなく、現地人が経営している輸入会社です。現地の流通業者は勿論、現地人のインポーターと信頼関係がありますし、「日本酒は頭打ちです」なども口にしません・・。むしろ彼らは、独自の目線でビジネスチャンスを見ている訳です。
そのメリットとは?
- 日系企業がまだ開拓していない市場のポジションを狙える
- インポーターが既に持っている流通網を活用できる
- まだ特定の銘柄を扱っていないインポーターとつながる為、”しがらみ”が無い
- 日本側から”押し付けない”ので、あちらサイドが売りやすい形を日本で用意出来る
- 最終的にインポーターは積極的な姿勢で商品を販売する
限られた市場のポジショニングの中で現地人が持つ営業先、流通網に乗せる事が出来ると今まで以上のビジネスチャンスがあります。やはり現地サイドでの営業は、インポーターの人脈や流通網を活用するのが効率的だと思いませんか。
参考までに、2012年9月のプロジェクトではこの位のボリュームを輸出しております。
商品のネーミング、パッケージ(ラベル・箱)、各種バーコード作成、現地での商品登録等全てを0から手がけ、初回の出荷として写真でお伝えしている位のボリュームを出荷。
どの様な蔵元さまとの関係を希望しているか?
『こんな日本酒を海外市場向けに試作として開発したのですが、どうですかね』
この様なお話をたまに頂きます。
あの手この手で、こうすれば海外に受けるんじゃないかな?と開発する姿勢はとても素晴らしいと思います。ただ1点だけ「勿体無い」と思う事は、その試作には海外インポーターの意見は一切入っていないと言う事。自分達がPUSHする商品では、海外市場での展開は難しい現状があります。例えば、ネーミング。ネイティブスピーカーの力を借りなければ、ニュアンスや意味が不思議な名前になってしまいます。つまり、Interesting(興味があって面白い)というより、Funny(ちょっとおかしな・・・の面白い)になってしまう訳です。
『日本市場向けに作られた商品をそのまま海外へ持っていても、あまり受け入れられない。』
これは、どの業界、サービスでも同じですね。
ですので、一緒にプロジェクトを進めていく上で
その国使用にカスタマイズする事が出来るかがポイントになります。
- ネーミング
- フロントラベルデザイン
- バックラベルデザイン
- ボトルの選定
など、ビジュアル面でのマーケティング活動に柔軟な姿勢をお持ちの蔵元さまと一緒にプロジェクトを展開していきたいと、インポーター側も希望しております。
ネーミング、デザイン、バックラベルに記載する情報等は、現地インポーターも交えて三社で共に進めていきますので、最終的に輸入者も積極的に商品を売る姿勢となります。
まずは、海外のインポーターへサンプルを送る事から始めませんか?
いくら海外市場へ挑戦したくても、インポーターがその味や価格帯に納得しなければ次のステップへは進めないのはご存知だと思います。
今後アプローチを強化する相手国:
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上記の国のインポーターとのプロジェクトを一緒に進めたいとご希望される蔵元さまを追加募集しております。
つい先日も、アメリカへ300mlの日本酒を合計300本輸出しました。これは現地のインポーターが取引のある卸売業者、飲食店経営者向けへの試飲用として配られます。ケース数にして30本入り1ケースを10ケース送りました。この際の輸送コストは100%輸入者持ちでしたので、日本国内の酒造メーカー様は空港までの宅急便のコストだけがかかりました。また、300本の酒もインポーターが買い取りましたので、この様な取引であれば、酒造メーカーさんにとって更なる心境地の開拓となると思います。