倉庫で汗だく作業

先日はオーストラリア向けの輸出作業で港の倉庫に揃った酒をパレッタイズする作業を手伝いに行ってきました。

 

 

IMG_36252

倉庫に午後1時に到着すると、当日午前指定で送って頂いた商品がきれいに並べられて、パレッタイズ作業を待つ状態になっていました。商品によってはバラで到着するものもあったり、ある程度の数量の場合は蔵元にお願いをして、蔵で事前にパレッタイズして頂きました。

 

でも!

コンテナにのせられるパレットには数が(限られたスペース)があります。これはパレットのサイズにも異なりますが、輸入者・輸出者は実務としてシッピングの際の貨物の量をある程度把握し、コンテナのサイズに合うようにパレッタイズ作業を仕上げる必要があります。

 

ですので、到着した貨物をそのままコンテナにのせる場合もあれば、調整の為に、パレッタイズ搬入された貨物を崩して、組み直し作業をする場合もあります。この組み直し作業ですが、とても重労働なのと、頭を使う必要があります。

 

頭を使うって??

というのは、簡単に言うと「テトリス」を頭の中で考えるようなものです。なぜなら、各蔵元によって段ボール箱のサイズがバラバラなので、一段目に商品を並べても高さや横幅が合わないと、段々の面になってしまいます。そうすると、2段目、3段目と積み上げていく際に、バランスの悪いパレッタイズ作業になってしまう訳です。

 

コンテナは一般的には20か40フィートの2サイズがあるのですが、いずれにしてもコンテナ内の寸法は決まっているので、その限られたスペースに貨物を納める必要があります。20フィートで入りきらないぐらいの量であれば、40フィートが必要になってきますし、サイズが変わる事で港で発生するコストや、フレイトコストも変わってきます。また、コンテナ内の使用スペースが100%、60%程度だとしてもFullでBookingをしている場合はコストはFixedです。LCLの際は、容積で値段が変わってきますが、ある程度のパレット数(容積)を超えてくると、FCLとほぼ同じ金額になってくるので、FCLかLCLか?の判断もポイントになってきますね。

 

 

港の現場に行くと、輸出の実感を感じる

 

もう数年前から僕達の輸出は「横浜港」から出すようにしています。以前は大阪港を使用する事もあったのですが、やっぱり自分の目で倉庫に搬入された貨物の状態チェックをしたいという気持ちがあります。また、たまにですが蔵から発送された商品が「割れて到着」する事あり、そんな事が起きた日には、バタバタです・・・。

 

IMG_3627

倉庫の入り口からは、沢山並ぶコンテナが見えます

 

港方面に到着すると、目にする車は殆どがコンテナを運ぶ大きなトラックで、運転も荒いというか、若干緊張するような場所です。「こんなトラックにぶつけられたら怖い!」って思っちゃいます。そして、このエリアを抜けて、実際に倉庫に到着し貨物のパレッタイズ作業を行うと、「数日後にはこの貨物が横浜港を離れる」という実感がわいてきます。

 

あとは、通関用の書類すべてを税関に提出し、OKが出れば出航です。INV、PL、免税書類等、かなりの情報量との戦いなので、毎回慎重になりますね。こういった書類に不備があると、最悪の場合は出航のスケジュールも変更する必要があるので、そういうトラブルは避けたいところです。

 

「日本酒の輸出をしてみたい!」という方から相談を受ける事も多いのですが、こういった一連の貿易実務も当然必要になってくるので、「どうやってやるの?」と悩まれる方も多いかと思います。「難しい、簡単」というのであれば、僕は難しいと思います。なぜなら各蔵元に「出来るだけ分かりやすい指示を出し」、そして輸出までを上手にマネジメントする必要があるからです。

 

輸出者が業務を分かっていなければ、そのしわ寄せが蔵元か輸入者、または船会社、通関士にいくはずです。彼らは彼らの仕事というのがあり、「手取り足取り日本酒輸出の手引」をしてくれる訳ではありません。ですので、輸出を行うのであれば、まずは自分達が実務を出来る状態になるのがMustだと思います。

 

もしも「輸出に興味があるのですが、何から手をつければ良いのか分からない」という方がいれば、僕達も出来る限りご協力はしたいと考えています。その方が日本酒業界全体にとってプラスなのでは?と思うからです。

 

統計では日本で造られる清酒の2%、3%ぐらいが海外へ輸出されていると耳にします。2,3%です。この数字が増える為には実務を行う会社・人間が増える事もポイントではないでしょうか。新しく輸出をスタートする人が増えて、全体の輸出量が増えれば良いなと思います。

 

今現在飲める日本酒はとても品質が高く美味しい。

あとは、この美味しい日本酒を海外へ届けるプレヤーが求められてると思います。それと、貿易業務だけではなく、「酒の知識」も大事になってくると思いますので、僕がBasicを学ばせて頂いたJohnさん(http://sake-world.com/)のコースを受けるのも良いかもしれませんね。値段以上の知識や人脈が出来ると思います。

 

それでは!

 


投稿日: 作成者: Yoshi Nakano

【前の投稿】・・・
【次の投稿】・・・