輸出している蔵元は光も影もある

昨日参加した会で、直接蔵人とお話をする事が出来たので貴重な情報を得る事ができました。それは、やはり「光と影」の存在。たまに試飲して味が気になったり、海外を意識しているような販促物を見つけると、僕はその蔵人とお話をします。

 

今回聞いた情報では、

  • 蔵人: 「数年前から輸出プロジェクトを他の蔵数社と始めたんです。」
  • 僕: 心の中で・・・、近隣の蔵数社で始めたって事は・・・きっと今は・・・。「なるほど。それで今現在、1回の輸出で何ケースぐらい出しますか?」

  • 蔵人: 「20ケースぐらいですかね・・・。最初は1パレットとかあったのですが・・・。」
  • 僕: 心の中で・・・、思ったとおり。「数ヶ月に1回20ケースだと、あまり商売になりませんね?」
  • 蔵人: 「ええ、他の蔵は伸びてるようですが。 でも、良いんです。うちは海外に力を入れていないんで・・。」

 

こんな話のやり取りがありました。

 

なぜか同じエリアの蔵元で一緒になって赤信号を渡ろうよ!みたいな活動をする蔵元さんがいます。他の地域でも過去に同じような事例はありますよね。最初は自分だけで海外展開するのは難しいしリスクがあるから・・・という考えで、県内の酒造組合のメンバーと群れる。

 

その場合、最初は良いんです。後が問題になることが多いようです。近隣で一緒に出るので、インポーターからすれば味が似てしまい、一蔵、一蔵の味の特徴をつかめなくなっていまう。結果、そのグループの中の商品でもラベルの見栄えが良い、コスト的に良い商品への注文が増え、そうではない蔵元の注文は減ってしまう・・・。

 

注文が減った蔵元からすれば、プロジェクト自体の魅力が当初に比べると下がってしまう。結果、「うちは海外に力を入れていません」って事になってしまう・・。

 

1200近くある蔵の中で、海外市場で売上を伸ばしている蔵は数社ありますよね。業界の人なら、誰でもそんな話は知っているし、無視できない話題です。近隣の同業他社と群れるメリット、デメリットが目に付いたお話でした。やはり、生産者とエージェントの関係がとても大事なんだなと感じました。


投稿日: 作成者: Yoshi Nakano
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