先日、海外のインポーターさんからの価格に関するお話があった。
日本酒を売りたいけど、見た目と価格のGAPを感じると言っている。
簡単にまとめれば・・・
海外市場で消費者が日本酒を手にする時は、日本国内で1000円で販売されている日本酒なら3000円~4000円の金額になる。でも、見た目は1000円・・。
これだと、
購買意欲が湧かないし、卸売り業者や小売業者もその商品を扱いたいと言ってくれない・・。
この問題を解決できるのは、メーカーしかない。
商品に対してもっと視覚マーケティングを加える必要がある。
しかし・・・、
「売りたい、売りたい」という姿勢の蔵元はよく目にするが、
「もっとお金を掛けた商品にしたい」という声はあまり聞かない。
日本酒海外市場のターゲットカスタマーは一体誰か?
1本3000円~4000円するアルコール飲料を買うのは一体誰だろうか。そう考えれば簡単だ。1本238円か219円の牛乳選びをしている人達ではない。エクストラのお金を払ってまで、「質」を求める人が日本酒に手を伸ばす。
例えば、日本酒を詰める瓶について:
形や色によって価格は変わる。変わるといっても、おおよそ150円以下のレンジだ。もしインポーターは安い価格を求めているなら、異なる瓶2,3本につめたサンプルを用意するのが好ましいだろう。そして、A,B,Cと見比べてもらい、どの商品だったら売れるのか?を見極めてもらえばいい。一方的に「A」という商品だけを売り込んでも、拒否されればメーカーとしては次の提案が無い。特に、もう既に今シーズンの酒を瓶詰めしてしまったなら、B、Cという選択肢にするのは、かなり難しくなる・・。
海外のインポーターはダイレクトに意見を言ってくる。これを「嫌う」のか、「参考」にするのか?でメーカーの今後の方向性が見えてくるような気がする。
一方的な売り込みだと、売れない。
相手が「売って欲しい」と言ってくるような、魅力的な仕掛けが必要。
僕が今まで過去6,7年やっているマーケティングコンサルは、無形財で目に見えない。だから価値も分かり辛い。でも、全国から「欲しい」という問い合わせがくる。競合他社が安くサービスを提供していても、欲しいという声が続く。その理由は何故か?購買心理学を考えた設計にしているから。これは、その様に仕掛けている。仕掛けがなければ、スルーされ、売上は0だ。だから、売る仕掛けが必要。これは、海外市場に出て行く日本酒も一緒。
「高い商品でも欲しい」というターゲットとリンクする事が出来れば、商品に上乗せされるコストというのは、価格に乗せられる。この理屈が成り立っていないなら、リンクしている相手との食い違いがあるはずだ。そこから見直すのが良いかもしれない。これから輸出する商品のラインナップを増やす予定だけど、最終的にどんな商品となるのか?楽しみです。